みなさんはニュースでアナウンサーの方が「今日の日経平均株価は~」と解説しているのを聞いたことがありませんか?昔から筆者もよく耳にしてましたが、当時はそれがどういうものかわからず、自分には関係ないと思っていました。しかし投資を勉強していく中で、非常に重要なものだと知りました。
そこで本稿では、代表的な株価指数にはどんなものがあるか、またどういう内容なのかを解説していきます。
株価指数とは
株価指数とは株式市場の全体の値動きをあらわすものです。取引所全体や複数銘柄の株価を平均するなどして数値化しています。この指標は投資家が相場を確認し、判断するためのものさしとなります。
株価はいろいろな要因で日々、変動しており、投資をしていくには株式市場全体の動きを把握していく必要があります。
日本の代表的な株価指数には、日経平均株価(日経225)、東証株価指数(TOPIX)などが挙げられます。また海外ではNYダウ、S&P500などが挙げられます。
投資家はこれらの株価指数の動向を確認しながら投資活動を行っています。
株価はなぜ変動するのか?
株価が変動する要因はいくつかあります。
①企業業績
株価を決める最大の要因です。企業の今後を見極めるための重要なポイントとなります。そのため期間発表後や決算発表後などは株価が変動しやすいです。
②政治・経済の動き
国内外の景気・金利・為替や国の政策が株価に影響を与えます。例えば、景気が上向けば企業業績は良くなって株価が上がり、景気が下向けば企業業績が悪くなり株価は下がります。また、金利が上がると株価は下がり、逆に金利が下がると株価は上がるといわれています。
③災害の発生や天候
災害や天候も株価に影響を与えます。例えば災害によって企業の工場が被災した場合、業績悪化を懸念して株が売られ株価が下がる場合があります。最近だとイーロン・マスク氏が率いるテスラのドイツ工場が送電塔の放火で停電の影響を受け生産停止の被害に遭い株価が下落しました。
また株価は冷夏や猛暑などの異常気象にも影響を受けます。冷夏で農作物が不作となって価格が上昇したり、猛暑で清涼飲料水が売れて売上が上がるなどがあります。
これらは株価変動要因の一部です。より詳しく知りたい人はこちらの記事をご覧ください。
日本の代表的な株価指数
日本の代表的な株価指数は日経平均株価(日経225)と東証株価指数(TOPIX)が挙げられます。
日経平均株価(日経225)
日経平均株価とは日本経済新聞社が発表する株価指数です。東京証券取引所に上場する約2,000銘柄の中から日本経済新聞社が流動性の高い銘柄を中心に選定しています。
日本の株式市場の大きな動向を把握する代表的な指標とされており、投資信託や先物取引などの取引にも利用されています。
株価指数は「225銘柄の株価平均÷銘柄数」で算出しており、組み入れ銘柄の株価に大きな影響を受けます。公表指数は、株式分割や採用株式の入れ替えなどの影響で生じる価格変動を修正して公表しています。
組み入れ銘柄は年に2回(4月と10月)定期的な見直しが行われます。また構成銘柄が上場廃止になったなど臨時の場合も入れ替えがあります。
東証株価指数(TOPIX)
東証株価指数、通称「TOPIX」とは「Tokyo Stock Price Index」の略で、東京商工リサーチに上場する銘柄を対象として算出されている株価指数です。日経225と並んで日本の代表的な株価指数です。
TOPIXは1968年1月4日の基準日の時価総額を100ポイントとして、現在の時価総額が何ポイントかを算出します。日経平均株価は「円」でしたが、TOPIXは「ポイント」となるわけですね。
算出は「算出時の時価総額÷基準時の時価総額(1986年1月4日)×100」とし、基準日からのポイントの増減を表します。株式市場で売買され、流動性の高い「浮動株」を時価総額をもとに算出する「浮動株時価総額加重型」という算出方法を用います。
日経平均株価は組み入れ銘柄の株価に大きな影響を受けますが、TOPIXは時価増総額で算出しているため時価総額が大きい銘柄の影響を受けます。日経平均株価より多くの企業の時価総額を組み入れてポイント算出をしているため、より日本の株式市場全体の動きを反映しやすいと言えます。
銘柄の組み入れについては東京証券取引所の全銘柄が組み込まれていました。しかし近年は東証一部上場の企業が2,158銘柄(2023年7月末)にのぼり、企業数が約30年前に比べて倍となっているため日本の最上位市場として質の低下が懸念されるようになりました。
そのため市場区分の見直しが検討され、流通株式時価総額100億未満の銘柄については、2022年10月から2025年1月にかけて段階的に減らしていく予定です。
日経平均株価とTOPIXの構成上位企業
日経平均株価構成の上位企業ランキング10位
それでは日経平均株価の構成割合が高い上位企業を紹介します。
1位はみなさんもよくファーストリテイリングです。ユニクロが有名ですね。また2位には東京エレクトロン、3位にはアドバンテストがランクインしています。
上位10企業で全体の39.1%とおよそ4割を占めます。これらの上位企業の株価の変動によって日経平均株価は大きな影響を受けます。
またデータは2023年5月末時点と少し古いので反映しておりませんが、2024年1~2月現在は生成AIブームでアメリカのエヌビディアに引っ張られる形で東京エレクトロン・アドバンテスト・ソフトバンクグループなどの半導体関連銘柄が大幅上昇しました。そして日経平均株価も2024年2月22日に終値3万9098円を付け34年ぶりに最高値を更新しました。
東証株価指数(TOPIX)構成の上位企業ランキング10位
続いてTOPIXの構成上位銘柄です。
上位はトヨタ、三菱UFJ、東京エレクトロンなど日本を代表する企業が並んでいます。上位10社で全体の2割を占めているため、これらの企業の時価総額に変動があった場合、TOPIX全体のポイントにも大きく影響します。
株価指数との連動を目指す投資信託
投資信託の種類にインデックスファンドがあります。日経225やTOPIXなどの株価指数に連動するよう運用をしています。そのため値動きがわかりやすく、今の投資信託の基準価格が上がっているか、下がっているかがわかるため初心者でもはじめやすいでしょう。
またインデックスファンドはアクティブファンドのように銘柄調査費用等が少なく、手数料を抑えられるメリットがあります。
さらに日経225などのインデックスファンドは複数銘柄から構成されているため、1本の投資信託を購入するだけで複数銘柄に投資できます。そのため個別銘柄を購入するのに比べてリスク分散ができる投資信託です。
そのため初心者でどの投資信託を購入したらいいかわからない人や、購入したらそのまま放置で運用しておきたいという人はインデックスファンドがおすすめです。
いかがでしたか?株価指数は投資を行う上で全体の流れを把握するための「ものさし」です。今ままで何気なく聞いていたニュースも、株価指数の上がり下がりやその理由を考えるだけで経済のトレンドがわかるようになりますのでぜひ意識していきましょう。